小春日和のなか 公園を散歩する
地面には私の影が映っている
秋の陽はすべての影を長く伸ばして
手足も体も……SF映画の怪物だ
笑いかけても表情など分からない
涙をこぼしていても…
心の中など映らない
影を見ながら
よく頑張ってるほうだよなんて
自分の頭を撫でてはみてもどうにも虚しい
激しく動いてみても
影は緩慢でこちらは消耗するばかり
近くの石ころを拾い身体目がけて投げた
石だけが集まる
……可哀想じゃないかな
何が…… 誰が?……
ひょっとして鞄に入れて持ち歩く程
大事なものじゃないのか?
影が怒って もう付いていかない
なんてことはないでしょうね
不意に風が頬を刺し 身震いする
体を温めるためにひとり踊った
枯葉舞う秋の公園
足元では枯葉が渦を巻いている
競うようにいつまでも踊っている
怪物のひょろ長い影